習志野が好きな人

習志野エリア在住、習志野出身でご活躍する人のお話をお届けいたします。

第2回 司園 代表取締役社長 司茂 實瑠(しも みのる)さん

司園さん_01

まちの明日をプロデュース
-にんじんせんべい誕生物語-

習志野市ふるさと産品は、習志野の特産物や習志野らしさを活かして生まれた商品として、現在8つの店舗の商品が認定されています。そのふるさと産品第一号は司園さんの「にんじんせんべい」。パッケージも可愛いこのおせんべい、習志野市の有名な産物であるにんじんを使ったオーガニックな商品で、にんじん嫌いのお子さんにも人気とか。軽い口当たりは食べだすととまらなくなるお勧めの味! 今回は、京成電鉄・実籾駅前にある司園さんに実籾周辺の今昔から、食へのこだわり、そしてにんじんせんべい誕生秘話などをお聞かせいただきました。

司園さんと実籾の縁をお聞かせ下さい

我が家は戦前は日本橋蛎殻(かきがら)町で玄米の問屋をしていました。戦後の動乱で、昭和24年に親戚のあった縁で実籾に移り、農産物の集荷、種、苗等の販売を手がけるようになりました。 実籾に来たばかりの頃は駅から少し離れると農家ばかりで、駅前には砂利道が続いていました。春になると、北習志野の方まで広大な菜の花畑が続き、麦畑は黄金色に穂が波うって、きれいでしたよ。ひばりのさえずりも聞こえてね。秋になると稲刈り。さつまいもも澱粉用に栽培していました。

習志野市が誕生する昭和29年以前、このあたりは千葉郡幕張町の一部だったんです。実籾に転居して来た時、僕は中学二年生。中学は幕張中学校に通いました。当時幕張中のあった場所に今は実籾小学校があります。今、日大の生産工学部のある場所には1970年代まで日立精機の工場がありました。外には立派なプールがあり、それを中学で使っていましたね。戦後まもない頃で、先生達も軍隊を経験している人が多いから厳しくてね。でも厳しくても教育は間違っていなかった。人と人の繋がりの大切さを教えてくれました。はじめは、母などはいつか東京に帰ると言っていたんですが、この町に友人ができ、人の温かさに馴染んで、半世紀以上が過ぎました。

落花生の時期になると、満杯に荷を積んだうちのトラックが一日に何台も町を走っているのを見ていた地元の方々から、ぜひ小売りもして欲しいと言われてね。昭和39年、今の場所に小売店を開きました。司園の店舗のはじまりです。お客様の声に応えて誕生した店というわけです。

司茂さんの商品作りに対する一番のこだわりはどんなことですか?

司園さん_02

作り手の顔が見えて、「美味しいね!」と安心して言っていただける食べ物を皆様にお届けしたい! それが司園の何よりのこだわりです。 僕が今まで取り引きして来た農家は、実籾周辺はもとより北総台地、茨城つくば方面まで広がり、本当に様々な農作物を手がけて来ました。麦茶の製造販売もやりましたし、家畜の飼料も取り扱いました。養鶏を手がけていた時期もあります。レストランの勉強に取り組み、実際に自ら厨房に入ったこともあります。長年、食一筋に、食をトータルに体験して来たからこそ実感出来たのは、自分たちの食を本当に安全で安心に守るためには、生産の段階から出荷、加工までどの段階でも努力を怠ってはいけないということです。

生産者が安全に自信を持って皆様にお勧めすることのできる商品づくりは、手もかかります。うちの商品は食材にもこだわり、加工の段階でも保存料など一切使わないから、大量生産には向きません。保存料を使って長期保存出きれば大きな流通網にも乗せやすく、実は販路が広がるんです。信念を持って本当に安全な食べ物を皆様にお届けしていくということは、利益だけを優先していたらできません。

にんじんせんべい誕生までのエピソードを教えて下さい

昭和61年に当時の三上文一市長が、習志野にふるさと産品が見当たらない、それなら、新たに習志野ブランドを作って行こうじゃないかということで、「習志野ブランドにふさわしいものは何か」を広く市民にアンケートで問いかけました。結果、習志野のブランドは「にんじん」という意見が多く、にんじんを使った商品開発を手がけることになりました。 三上市長は実籾に縁のある方で、旧知の間柄でもありました。そんな三上市長が休みの日にやって来て「司茂さん、にんじんを使った習志野の特産品を作って欲しい」というわけです。

にんじんせんべい

でも、にんじんはパセリなどと同じ香味野菜。好き嫌いのはっきりした食べ物です。これは難しいことを引き受けたと思いましたね。さつまいもやピーナッツなら作りやすいが…と言っても、とにかくにんじんの一点張り。ドライに乾燥してみたり、裏ごししてせんべいの様にしてみたり…この裏ごしせんべいは焼くとせっかくのにんじんの鮮やかなオレンジ色が黒くなってしまって失敗。そこで、フライにしてみたところ、今度はきれいなオレンジ色になって味も良し! まずは一安心です。次は、パッケージ。お金をかけても売れるかどうかわからない。ふるさと産品と言っても、市役所の売店では売ってくれても、それ以上の販路は自分の店以外は決まっていませんでした。

丁度その頃、東京ドームで日本全国のふるさとフェアがあり、市がブースを出店することになりました。にんじんせんべいの他にも数種類生まれた習志野ブランドの商品と一緒にキャンペーンを行い、一生懸命PRしました。次第に大手広告代理店などからも声がかかるようになり、にんじんせんべいを更にビールのつまみに発展させて生まれたのが「キャロットスティック」。今は船橋のサッポロビールの工場などでも販売されています。

手焼せんべい

もう一つ、にんじんせんべいと同時期に発売した厚焼きのせんべいは、浅草仲見世に職人が修行に行き、醤油にもこだわって日本全国から何種類も取り寄せた中から、香ばしさが一番良かった紀州の醤油を選んで使っています。 その他にも、店には、無添加で安全性の高い菓子や豆類など豊富に揃えていますので、ぜひ、一度、立ち寄ってみて下さい。

実籾ふるさと祭りの立ち上げにも関わられたと伺いました

実籾の街は純朴で、どちらかというと競争の少ないところ。それは素晴らしい長所でとても暮らしやすい所なのですが、ともするとおとなしくなりすぎてしまう。それではいけないと、地域が一体となって「実籾ふるさと祭り」を毎年11月に行っています。今年で27年目を迎える地域の祭りです。自慢は、町会、商店会、地域の幼稚園から学校まで、本当に地域が皆で、お金をかけずに手作りで育てて来たイベントであるということです。

ふるさと祭りをはじめるに当たっては、思い出深いことがたくさんあります。当時は千葉に会社の事務所があり、僕は、実籾を朝出て寝に帰るだけの生活を送り、この店は家内が守っていました。昭和56年のことです。商店会の集まりがあるからぜひ来て欲しいと声がかかりましてね。忙しいからと遠慮すると家内に「私はここで店をやっているんです。行ってくれなくては私の顔がたちません」と言われてね。行ってみたところが、街を振興して行くためのイベントの企画をぜひ考えてくれないかと相談されました。そこでまずはフリーマーケットを主体にして、商店街の店同士の親睦も兼ねたイベントを実施しようと考えました。習志野市の青年会議所等の立ち上げにも関わって来た経験がかわれたんですね。町会、婦人会、老人会、小学校、中学校、全員参加のイベントにと声をかけてまわり、消防署の音楽隊や習志野高校の吹奏楽部のパレードの企画がまとまったんです。

ところが、今度はパレードのために道路の交通は止められないと警察署からストップがかかった。市長から頼んでもらっても、駄目なものは駄目でにっちもさっちも行かない。丁度そこへ国際児童年のイベントで弾みのついていた子供会がイベント参加に名乗りを挙げてくれました。実籾800人、東習志野1,300人の子供達の参加です。企画がおもちゃ箱をひっくりかえしたみたいに面白いことになって来ましてね。さすがに警察も承諾せざる得なくなりました。当日は、仮装行列も行われ、街をあげての本当に賑やかな祭りになりました。 それから27年。今では毎年二万人くらいの人が来る盛大なイベントに育ちました。和太鼓の競演、習志野高校の吹奏楽、パレード等など賑やかですよ。ぜひ皆さんも一度遊びに来ていただければと思います。

まつりの風景

これからの実籾の街に期待するのはどんなことですか?

今、実籾では駅前にある市所有地の再開発に向けた話し合いも進んでいます。その計画作りの根底にあるのは、次の世代の人々に「良いものを創った」と言ってもらえる施設を造ろうということです。だから、地元の小・中学生、高校生達にもアンケートで意見を聞き、プランニングには日大の教授や学生さん達も参加しています。街の人々が一つになって、新しい時代を拓いて行くことのできる街。それが実籾の素晴らしさだと思っています。

地域と一緒になって夢を追い続けるから楽しいんです。この土地に住んで良かったと思えるのは、そうやって、夢を一つひとつ実現して行くことができる街であることを感じる時ですね。 この店も、地域のコミュニケーションスペースとして、特に買い物がなくても、ふらっと立ち寄ってお茶を飲んでおしゃべりをしてふれあいを楽しんでいただける場所になっていけば良いなと考えています。 実はね、この商店街の街路樹の下には、電線のケーブルが地下埋設されていましてね。いずれ木が育ったら、クリスマスにはイルミネーションで街を飾り,皆さんに喜んでいただきたいとも考えているんですよ!

インタビューを終えて。

司茂 實瑠氏
株式会社 司茂商会代表取締役社長
習志野市商店会連合会 副会長
実籾駅前商店会 会長

「ご商売は?」と聞かれたら「よろず屋ですと答えるんですよ」と笑う司茂さん。素晴らしいアイデアマンでいらっしゃいます。そのアイデアの源泉は、常に時代にアンテナを張り情報を先取りする柔軟な感性と、豊富なご経験の裏付けです。次はどんなことを習志野の街にプレゼントしてくださるのだろう?! 今からワクワクしています。

司園 外観
司園 店内

司園

習志野市実籾4-2-3  実籾駅北口徒歩約2分

司園 マップ

【営業時間】
午前8時30分~午後8時(日曜、祭日は午後7時30分まで)
(1月2日、3日は午前8時30分~午後6時)
【休日】 元旦のみ
【電話番号】 047-475-1354

キャロットスティック

ちょっとオマケ!

にんじんせんべいの姉妹品「キャロットスティック」。
こちらは、お酒のつまみにもお勧め!
鮮やかなオレンジ色に、ピリッとした辛みもあって、ちょっと大人の味わいです。



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